ケアマネジャーの平均年齢は55.1歳|担当が変わる日に備えて家族ができる3つのこと

ケアマネジャーの平均年齢は55.1歳
「うちの担当のケアマネさん、そういえば結構ご年配だな」

月に一度、様子を見に来てくれる担当のケアマネジャー。何年も同じ方にお願いしていて、家族の事情も本人の性格も、もう全部わかってくれている。ありがたい存在です。

ただ、その方がいつまでも担当してくれるとは限りません。2026年7月29日に公表された調査で、ケアマネジャーの平均年齢が55.1歳になり、介護に携わる職種の中で最も高いという結果が出ました。60歳以上の方が3人に1人を超えています。

これは業界のニュースとして報じられた数字ですが、実はサービスを使うご家庭にとっても他人事ではありません。この記事では、その数字が何を意味するのか、そして利用する側として今のうちにやっておける備えを整理します。

ケアマネジャーの平均年齢55.1歳は、介護の職種でいちばん高い

ケアマネジャーの平均年齢55.1歳は、介護の職種でいちばん高い
数字を整理します。介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律に基づく厚生労働大臣の指定法人、公益財団法人介護労働安定センターが、全国の介護現場で働く2万675人から回答を得た調査の結果です。

2025年度 介護労働実態調査より

  • ケアマネジャーの平均年齢は55.1歳(前年度54.3歳)。調査対象の7職種で最も高い
  • 回答者全体の平均は49.5歳、訪問介護員(ホームヘルパー)は51.1歳、リハビリ職(PT・OT・ST等)は39.1歳
  • 60歳以上が35.4%(前年度31.5%)。3人に1人を超えた
  • 40歳未満は4.7%にとどまります
  • 介護支援専門員の介護関係の仕事の平均経験年数は20.1年。経験20年以上の方が56.7%を占める

注目していただきたいのは、平均年齢が高いことそのものではなく、下の世代がほとんどいないという点です。60歳以上が3分の1を超える一方、40歳未満は20人に1人程度にとどまります。このバランスのまま時間が進めば、加齢を理由に現場を離れる方が今後まとまって出てくることになります。

⚠ 数字の読み方について

この平均年齢は、調査に回答した方(ケアマネジャーは2,678人)を集計したものです。全国のケアマネジャー全員を数えた値ではありません。ただし同じ方法で毎年続けられている調査で、平均年齢は前年度から0.8歳、60歳以上の割合は3.9ポイント上がっています。傾向としては受け止めておいたほうがよい数字です。

なぜ、若いケアマネジャーが増えないのか

なぜ、若いケアマネジャーが増えないのか
理由はシンプルで、若いうちにはなれない仕組みだからです。

ケアマネジャーになるには、介護支援専門員実務研修受講試験に合格しなければなりません。この試験を受けるには、保健・福祉・医療の分野で原則として5年以上かつ900日以上の実務経験が必要です。しかもその経験は、介護福祉士や看護師など指定された国家資格に基づく対人援助業務か、指定された相談援助業務でなければ算入されません。

つまり、まず介護の資格を取り、現場で5年働き、そのうえで試験に挑み、合格後にさらに研修を受ける。ここまで積み重ねてようやくケアマネジャーになれます。実際、ケアマネジャーの4分の3以上が介護福祉士の資格を持っており、介護関係の平均経験年数は20年を超えています。

これは裏を返せば、経験の厚い人だけが担当してくれているということでもあります。制度としてはむしろ利用者を守るための設計です。ただ、そのぶん人数を急には増やせない、という副作用が出ているわけです。

利用する側に起こりうる、2つのこと

① 担当が交代する場面が増える

長く担当してくれた方が引退すれば、当然、担当は変わります。困るのは、そのときに引き継がれない情報があることです。

書類に残るのはケアプランと基本的な記録です。でも「お風呂の順番を変えると混乱する」「この時間帯は必ず機嫌が悪い」「昔からこの呼び方でないと返事をしない」といった、長い付き合いの中で蓄積された感覚は、書式のどこにも入りません。ここが失われると、ご家族が同じ説明を一からやり直すことになります。

② 新しく探すとき、すぐに見つからないことがある

ケアマネジャー1人が担当できる利用者数には目安が設けられており、一定の件数を超えると介護報酬が下がる仕組みになっています。そのため、依頼しても『今は受けられません』と言われる場合があります。サービスの質を保つための決まりですが、その結果、依頼しても「今は受けられません」と言われる場合があります。自治体も、この点を案内しています。

同じ調査では、介護支援専門員が不足している(「大いに不足」「不足」「やや不足」の合計)と答えた事業所の割合が37.0%で、前年度の34.5%から上がっています。地域によって事情は違いますが、選択肢がゆったりしているわけではありません。

⚠ ただし、過度に心配しなくて大丈夫です

同じ調査で、ケアマネジャーの離職率は9.5%と、7職種の中では低いほうでした。「働きやすい」と感じている割合も70.8%で、全体(介護職員63.3%など)と比べると高めです。つまり、いま担当してくれている方が急に大量に辞めていくという話ではありません。備えは必要ですが、慌てる必要はありません。

今のうちにやっておける、3つの備え

今のうちにやっておける、3つの備え

1. 「わが家の引き継ぎメモ」を作っておく

いちばん効果があるのはこれです。担当が変わってから困るのは書類に残らない情報なので、それを家族側で持っておきます。ノート1冊、A4用紙1枚でも十分です。

書いておきたいこと

  • かかりつけ医、飲んでいる薬、これまでの病気やけが
  • 一日の過ごし方と、崩したくない生活のリズム
  • 機嫌がよくなる・悪くなるきっかけ、声のかけ方のコツ
  • 本人が「これはしたい」「これは嫌だ」と言っていること
  • 今使っているサービスと、その事業所の連絡先
  • 家族の連絡先と、誰がどこまで対応できるか

2. 地域包括支援センターの場所と電話番号を確かめておく

担当のケアマネジャー以外の相談先を、ひとつ持っておくことが安心につながります。それが地域包括支援センターです。お住まいの地区ごとに担当が決まっており、居宅介護支援事業所を探すときの相談窓口にもなります。

どこが担当なのかわからない場合は、市区町村の介護保険担当窓口で教えてもらえます。何か起きてから調べるより、今のうちに連絡先を控えておくほうが確実です。

3. 「ケアマネジャーは変えられる」と知っておく

意外と知られていませんが、担当のケアマネジャーは変更できます。同じ事業所の中で担当だけを変えることも、事業所そのものを変えることも可能です。

相談先は、担当が所属する居宅介護支援事業所の管理者、地域包括支援センター、市区町村の介護保険担当窓口などです。変更にともなって必要な手続きや進め方は、これらの相談先が案内してくれます。

これは「気に入らないから変える」ためだけの知識ではありません。いざ担当が引退したときに、自分たちで動ける選択肢があると知っておくことが、そのまま安心になります。

国も手を打ちはじめています

現場の負担を軽くする動きも進んでいます。2026年6月に成立した社会福祉法等の一部を改正する法律(令和8年法律第51号)で、研修の受講を要件とした資格更新の仕組みを廃止し、法定研修の在り方を見直すことが決まりました。

これまでは5年ごとに資格を更新する必要があり、そのための研修に何日も業務を空けなければならない、費用の負担も重いといった声が現場から上がっていました。厚生労働省の資料でも、資質の確保・向上を前提としつつ、時間的・経済的な負担を可能な限り軽くすることが重要だとされています。

この法律の施行は原則として2027年4月1日ですが、ケアマネジャーの更新制廃止にあたる部分は、公布から1年6か月以内に政令で定める日からの施行とされています。なお、更新制がなくなったあとも、受講が求められる法定研修そのものは残ります。国会の附帯決議でも、研修内容の精査や短時間化、オンライン活用の推進によって、負担が実質的に続かないようにすることが求められています。

もうひとつ、安心材料をお伝えしておきます。ケアプランの作成をはじめとする居宅介護支援は、全額が介護保険から給付され、利用者の自己負担はありません。相談も、プランの見直しも、担当の変更も、費用を気にせずお願いできる仕組みになっています。

おわりに:不安を、準備に変えておく

平均年齢55.1歳という数字は、たしかに将来の心配を示しています。でも同時に、いま担当してくれている方が経験を長く積んだプロであることの裏返しでもあります。

やるべきことは、その方が抱えてくれている情報を、家族側にも少しずつ移しておくこと。それだけです。次の担当に変わったときの立ち上がりが、驚くほど早くなります。

この記事のまとめ

  • 2025年度の調査で、ケアマネジャーの平均年齢は55.1歳。介護の7職種で最も高く、60歳以上が35.4%を占める。
  • 若手が少ないのは、5年以上かつ900日以上の実務経験が受験に必要という仕組みによるもの。経験の厚さと引き換えの構造。
  • 利用者側に起こりうるのは、担当交代時の情報の引き継ぎ漏れと、新しく探すときの見つけにくさ。
  • ただし離職率は9.5%と低め。慌てる必要はない。
  • 備えは3つ。引き継ぎメモを作る、地域包括支援センターの連絡先を確かめる、担当は変更できると知っておく。
  • 2026年6月に成立した改正法(令和8年法律第51号)で、ケアマネジャーの資格更新制の廃止と法定研修の見直しが決まった。この部分の施行は公布から1年6か月以内に政令で定める日。
  • ケアプラン作成などの居宅介護支援は、利用者の自己負担なし。

次に担当の方が来てくれたとき、「いつも助かっています」のあとに、ひとつだけ聞いてみてください。「もし担当を外れることになったら、次の方に何を引き継いでもらうといいですか」。その答えが、いちばん確実な備えのリストになります。

📋 参考・参照情報

※掲載情報は執筆時点のものです。制度・数値は改定される場合がありますので、最新情報は各機関の公式サイトをご確認ください。

※本記事は2026年8月時点の情報をもとに作成しています。担当ケアマネジャーの変更手続きや相談窓口の名称・運用は自治体や事業所によって異なる場合があります。個別のご事情については、担当のケアマネジャー、お住まいの市区町村の介護保険担当窓口、地域包括支援センターにご相談ください。

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