
「お父さんが倒れて、入院した」——ある日突然、その電話はかかってきます。
何の準備もないまま介護が始まると、誰でも頭が真っ白になります。でも、大丈夫です。やるべきことには「順番」があり、それさえ分かっていれば、一つずつ着実に進められます。
この記事では、親の介護が突然始まったときに、入院中から要介護認定、サービス開始までに何をすればいいかを、4つのステップで整理します。まずは深呼吸して、一緒に確認していきましょう。
まず知っておきたい、全体の流れ
細かい手続きの前に、ゴールまでの地図を持っておくと安心です。大きくは、次の4ステップで進みます。
- STEP1 入院中に、状態の把握と相談を始める
- STEP2 退院に向けて「地域包括支援センター」に相談する
- STEP3 「要介護認定」を申請する
- STEP4 ケアプランを作り、介護サービスを始める
【STEP1】入院中に、状態の把握と相談を始める
入院中は、つい治療のことだけに気を取られがちですが、「退院後の生活」を見据えて動き始めることが大切です。病院は治ったら退院、が基本。気づけば退院日が迫っていた、ということが少なくありません。
この時期にやること
- 主治医に見通しを確認する:退院の目安、退院後にどれくらいの介助が必要になりそうか。
- 病院の相談室を頼る:多くの病院には「医療ソーシャルワーカー(相談員)」がいて、退院後の相談に無料で乗ってくれます。
- 家族で役割を共有する:誰がどこを担うか、早めに話しておくと後でもめません。
【STEP2】「地域包括支援センター」に相談する
介護で迷ったときの、最初の相談窓口が地域包括支援センターです。各市区町村にあり、介護の専門職が無料で相談に乗ってくれます。「何から始めればいいか分からない」状態でも大丈夫。電話一本でかまいません。
親の住む地域のセンターが窓口になります。場所が分からなければ、市区町村役所の介護保険担当課に聞けば教えてもらえます。
ポイント
「在宅で介護するのか」「施設を検討するのか」で、その後の動きが変わります。決めきれなくても問題ありません。迷っている段階で相談してよいのが、地域包括支援センターです。
【STEP3】「要介護認定」を申請する
介護保険のサービスを使うには、まず「要介護認定」を受ける必要があります。これは「どれくらいの介護が必要か」を判定してもらう手続きです。
申請から認定までの流れ
- ① 申請:市区町村の窓口で申請します。本人や家族のほか、地域包括支援センターなどに代行してもらうこともできます。
- ② 認定調査・主治医意見書:調査員が心身の状態を確認し、主治医が意見書を作成します。
- ③ 判定・通知:審査を経て、要支援・要介護などの区分が通知されます。区分によって使えるサービスの量が変わります。
結果が出るまでには一定の期間がかかります。費用や日数、必要書類は地域によって異なるため、申請の前に市区町村の窓口や地域包括支援センターで確認しておくと安心です。
【STEP4】ケアプランを作り、サービスを始める
認定の区分が決まったら、ケアマネジャー(介護支援専門員)が、本人の状態や希望に合わせて「ケアプラン(介護の計画)」を作ります。ケアマネは、在宅介護を支える心強いパートナーです。
ケアプランができると、いよいよ訪問介護やデイサービス、ショートステイなどのサービスが始まります。ここまで来れば、あなた一人で抱え込む状態から、専門職と一緒に支える体制へと切り替わります。
あわせて「お金の制度」も確認を
介護にはお金の不安もつきものです。負担を軽くする制度もあるので、頭の片隅に置いておきましょう。
- 介護保険サービスの自己負担:所得に応じて1〜3割の負担となります(一律ではありません)。
- 高額療養費制度:医療費が一定額を超えたとき、超えた分が払い戻される制度です。
- そのほかの軽減制度:所得や状況に応じた負担軽減のしくみがあります。詳しくは市区町村の窓口へ。
金額や対象は所得・地域・年度によって異なります。具体的な金額は、必ず市区町村の窓口や加入している医療保険でご確認ください。
この記事のまとめ
- 慌てなくて大丈夫。介護は「順番」が分かれば動ける。
- STEP1:入院中に見通しを確認し、病院の相談員を頼る。
- STEP2:地域包括支援センターに無料で相談する。
- STEP3:要介護認定を申請する。
- STEP4:ケアマネとケアプランを作り、サービスを始める。
※本記事は2026年6月時点の情報をもとに作成しています。要介護認定の手続き・期間・費用、自己負担割合や各種軽減制度の内容は、所得・地域・年度によって異なり、変更される場合があります。具体的な手続きや金額については、お住まい(親御さんがお住まい)の市区町村の窓口、地域包括支援センター、加入している医療保険にご確認ください。