介護福祉士のパート合格とは?3パートの中身と有効期限を解説【2027年】

 

Q1. 介護福祉士の「パート合格」とは?

これまでの介護福祉士国家試験は、全13科目をまとめて受け、総得点で一度に合否が決まる仕組みでした。総得点が合格基準に届かなかったり、0点の科目群があったりして不合格になると、翌年はまた全科目を受け直す必要があったのです。

2025年度(第38回)からは、試験全体をA・B・Cの3つのパートに分け、合格水準に達したパートについては、翌々年度の試験まで受験が免除されるようになりました。つまり、苦手なパートだけを翌年に持ち越して集中できる、という仕組みです。この制度は外国人の受験者だけでなく、すべての受験者が対象です。

⚠ ここが大切:導入は「2025年度(第38回)から」

第37回(2024年度)までに受験した分には、パート合格は適用されません。過去に特定の範囲で高得点だったとしても、持ち越しにはならない点に注意してください。

Q2. パート合格は試験をどう3つに分けるの?(A・B・Cの中身)

13科目は、次のようにA・B・Cの3パートに振り分けられます。また、13科目は関連する科目をまとめた11の「科目群」に整理されていて、合否の判定では「すべての科目群で得点があること(0点の科目群がないこと)」も条件になります。

3つのパートの中身

  • Aパート:人間の尊厳と自立/介護の基本/社会の理解/人間関係とコミュニケーション/コミュニケーション技術/生活支援技術
  • Bパート:こころとからだのしくみ/発達と老化の理解/認知症の理解/障害の理解/医療的ケア
  • Cパート:介護過程/総合問題

Aパートは介護の基礎となる領域、Bパートはこころとからだ・医療的ケアの領域、Cパートは学んだ知識を実際の場面に当てはめる実践の領域、とイメージすると整理しやすいでしょう。

介護福祉士のパート合格とは?3パートの中身と有効期限を解説【2027年】

Q3. パート合格の判定はどうなるの?

判定は「まず全体、ダメならパートごと」の2段階で進みます。

判定の流れ

  • ① まず全体で判定:全パートを受けた場合、総得点が合格基準点(およそ6割が目安)以上で、かつ11の科目群すべてに得点がある(0点の科目群がない)と合格です。
  • ② ①を満たせなければパートごとに判定:パート内の基準を満たし、そのパートの科目群すべてに得点があれば、そのパートは「パート合格」として扱われます。

パートごとの合格基準点は、全体の合格基準点を、全パートを受けた受験者の平均得点の比率で按分して決まります。参考までに、第38回では全体の合格基準点が125点中64点で、パートごとの基準点はAパート32.23点・Bパート20.43点・Cパート11.33点でした(基準点は試験の難易度により毎回変わります)。

Q4. 合格したパートはいつまで有効?

合格したパートはいつまで有効?パート合格は、合格した年の翌年・翌々年の試験まで有効です。たとえば第38回でAパートに合格した場合、第39回・第40回の試験ではAパートの受験が免除されます。この期間内に残りのB・Cパートに合格すれば、全パート合格となります。

なお、有効期限はパートごとに決まります。合格済みのパートを再受験して再び合格すると、その年から翌々年まで期限が延びます。期限を過ぎたパートは免除の対象外となり、改めて受験が必要です。

再受験のときは、「全パートを受け直す」か「不合格だったパートだけを受ける」かを選べます(不合格パートのうち一部だけを受けることはできず、申込後に選んだパートを変えることもできません)。不合格パートだけを受ける場合は、受験した範囲すべてで基準を満たせば合格です。苦手な範囲に勉強時間を集中できるので、働きながらでも段階的に合格を目指しやすくなりました。

⚠ ここが大切:パート合格だけでは資格は取れません

パート合格は「一部のパートの受験が一定期間免除される」状態で、それだけでは介護福祉士の資格は得られません。国家試験の合格者となるのは、全パートに合格した人です。

Q5. 介護福祉士のパート合格は誰にメリット?第39回ではどう活かす?

介護福祉士のパート合格は誰にメリット?第39回ではどう活かす?特に恩恵が大きいと考えられるのは、働きながら受験する人です。受験者の8割以上は実務経験ルートの人で、仕事と学習の両立が課題とされてきました。一度に全科目を仕上げる負担が減り、苦手パートに絞って準備できるため、心理的なハードルも下がります。「あと一歩で不合格」だった人が、翌年その一歩だけに集中できるのは大きな違いです。

背景には、介護人材の確保という課題があります。2040年度末までに新たに約57万人の介護人材が必要と見込まれる一方、働きながら受験する実務経験ルートの受験者は減少傾向にありました。そこで「受けやすい仕組み」として、このパート合格が導入されたのです。

そして第39回(2027年1月31日実施)は、第38回で一部パートに合格した人が「残りの範囲だけ」を受けられる最初の年。制度の効果が本格的に表れる節目になります。

第39回 介護福祉士国家試験の日程(参考)

  • 試験日:2027年(令和9年)1月31日(日)
  • 受験票発送:2026年(令和8年)12月11日(金)
  • 合格発表:2027年(令和9年)3月23日(火)
  • ※受験申込の受付(2026年7月22日〜9月2日)はすでに終了しています。

この記事のまとめ

  • 2025年度(第38回)から、試験を3パート(A・B・C)に分ける「パート合格」が導入された。対象は全受験者。
  • 合否は「まず全体、ダメならパートごと」の2段階で判定される。
  • 合格したパートは翌年・翌々年の試験まで有効。その間に残りのパートに合格すれば全パート合格(パート合格だけでは資格は取れない)。
  • 再受験は「全パート」か「不合格パートのみ」を選べ、苦手に集中できる。
  • 第39回(2027年1月31日)は、一部合格者が残りだけを受けられる最初の年。

※本記事は2026年10月時点の情報をもとに作成しています。制度は今後変わる可能性があります。パート合格の詳しい基準や最新の日程については、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターや厚生労働省の公式情報をご確認ください。

📋 参考・参照情報

※掲載情報は執筆時点のものです。制度・数値は改定される場合がありますので、最新情報は各機関の公式サイトをご確認ください。