介護費用が過去最高11兆9,381億円に|高齢化でこれからどうなる?をQ&Aで解説

Q1. 「介護費用が過去最高」って、そもそもどういうこと?

「介護費用」とは、介護保険を使って受けたサービスにかかったお金の総額のこと。利用者が自分で払った自己負担分、介護保険から支払われた分、公費で負担された分を合わせた金額です。

厚生労働省が2026年9月に公表した統計によると、2025年度(令和7年度)の介護費用の総額は12兆2,208億円。前の年度から2,827億円増え、これまでで最も大きな金額となりました。

数字でみる介護費用の伸び

  • 2025年度の総額:12兆2,208億円(過去最高)
  • 前年度(2024年度:11兆9,381億円)からの増加:+2,827億円(+2.4%)
  • 10兆円を突破したのは2018年度、11兆円を突破したのは2021年度、そして2025年度に初めて12兆円を突破
  • 制度開始の翌年(2001年度)との比較:当時の4兆3,783億円の約2.8倍

ポイントは、金額が「一度増えた」のではなく、右肩上がりで増え続けていること。2001年度から20年あまりで、約2.8倍にまで膨らんでいます。

「介護費用が過去最高」って、そもそもどういうこと?

Q2. なぜ介護費用は増え続けているの?

いちばん大きな理由は、やはり高齢化です。介護を必要とする人が年々増えているため、サービスの利用も、かかるお金も増えていきます。

厚生労働省の統計では、要介護・要支援の認定を受けた人は2025年3月末時点で721万人となり、過去最多を更新しました。介護保険制度が始まった2000年度と比べると、認定を受けた人の数は約2.8倍です。その後も増え続けており、2026年3月末時点の暫定値では735.9万人となっています。

「一人あたり」でみても負担は重くなっている

増えているのは人数だけではありません。65歳以上の高齢者(第1号被保険者)1人あたりの介護保険の給付費も伸びており、2024年度は1人あたり約31万2千円でした(前年度より約1万円増)。高齢者の人数が増え、さらに一人ひとりにかかる費用も増える——この二つが重なって、全体の金額を押し上げているのです。

※この「1人あたり約31万2千円」は、Q1の介護費用(費用額)とは別の「給付費」という統計に基づく数字です(給付費の総額は11兆1,826億円)。集計の範囲が異なるため、数字の大きさを単純に比べることはできません。

Q3. 介護費用が増えると、わたしたちの負担はどうなるの?

介護費用が増えると、わたしたちの負担はどうなるの?介護費用の全体が増えると、それを支える介護保険料や、サービスを使ったときの自己負担にも影響が出てきます。ここは多くの方が気になるところだと思います。

介護サービスを利用したときの自己負担は、原則1割ですが、所得に応じて2割または3割を負担する仕組みになっています。どの区分にあたるかは、所得やお住まいの状況によって異なります。

⚠ ここが大切:負担のあり方は「これから」見直しの議論が続いています

費用の増加を受けて、保険料や自己負担のあり方は国で見直しの議論が続いています。今後、負担の仕組みが変わる可能性もあります。ご自身やご家族の負担割合・保険料の正確な金額は、お住まいの自治体の窓口でご確認ください。

Q4. 「わが家」はこれから何を準備すればいい?

数字を見て不安になるより、今できる準備から始めることが何より大切です。費用の増加は社会全体の流れですが、わが家でできる備えは確実にあります。

今日から始められる4つの備え

  • かかるお金を「見える化」する:今どんなサービスに毎月いくら払っているかを、一度紙に書き出してみる。
  • 地域包括支援センターに相談する:介護のよろず相談窓口。費用やサービスの見直しも無料で相談できます。
  • 使える制度を知っておく:自己負担が高額になったときに戻ってくる仕組みなど、負担を軽くする制度があります。自治体で確認を。
  • 家族で早めに話しておく:介護が始まる前に、お金や希望を家族で共有しておくと、いざというとき慌てずにすみます。

特に地域包括支援センターは、「まだ介護が始まっていない」段階でも相談できる心強い窓口です。「何から手をつけていいか分からない」と感じたら、まずここに電話してみるところから始めてみてください。

この記事のまとめ

  • 2025年度の介護費用は総額12兆2,208億円で過去最高を更新し、初めて12兆円を超えた。
  • 増加の背景は高齢化。要介護・要支援の認定者は721万人(2025年3月末)で過去最多となり、その後も増え続けている。
  • 費用増は保険料や自己負担にも関わり、負担のあり方は今後も見直しの議論が続く。
  • 不安に飲まれず、「見える化」と「早めの相談」から準備を始めるのが安心への近道。

📋 参考・参照情報

※掲載情報は執筆時点のものです。制度・数値は改定される場合がありますので、最新情報は各機関の公式サイトをご確認ください。

※本記事は2026年10月時点の情報をもとに作成しています。介護費用の統計は厚生労働省の公表資料によります。制度や負担割合は今後変わる可能性があります。具体的な手続きやご家庭の状況については、お住まいの自治体の窓口や専門家にご相談ください。